胃袋を掴むのはどこの世界でも必須項目なのか

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「あぁ、助かるよ」  そう言って俺の頭をくしゃくしゃと撫でていく。うーん、身長差的に撫でやすいのかな。  何にしても俺はその後も数種類のおかずと、おにぎり、サンドイッチなんかを作って粗熱を取り、携帯容器に入れてどんどんウエストポーチの中に放り込んだ。  宿が忙しくなる夕方前に全てを終えられて、ホッとしている。  その夜も宿でご飯を頂いていると、マスターさんがニコニコしながら俺にお酒のグラスをご馳走してくれた。  俺が作った料理を少し味見したいと言われて応じたんだけど、気に入ってくれてレシピを書いた。  そのお礼らしい。 「これでユーリスさんも食事の心配いらないね。いや、ほっとするよ」 「あぁ、俺も嬉しいかぎりだ。優秀な料理番ができて頼もしいよ」 「そんな、俺はそんなに。料理だって、家庭料理ばかりだし」  昔婆ちゃんが教えてくれた料理の数々。  好きだって言ったものは全部教えてくれたし、レシピも残してくれた。俺の数少ない宝物だ。 「マコトはどこでこの料理を覚えたんだ?」 「婆ちゃんが教えてくれたんだ。小さい頃から手伝ってて、それで興味もってさ」 「マコトの、お婆さん?」  ユーリスさんが少し怪訝な顔をする。     
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