いきなりピンチってある意味反則じゃないか? (触手姦)

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 その時、何かが俺を捕まえていた蔦を一刀両断にした。  俺は急に空中に放り投げられる。頭から真っ逆さまに落ちているけれど、高さ的に二メートル弱くらいまだある。  あ、死んだ。  でも、化け物にヤリ殺される事を考えればこれも慈悲なのか? 随分な神様もいたもんだ。  そう思って力の入らないまま、なすがままになっていると、誰かが俺を受け止めてくれた。  温かい体温と、人と思える手を感じる。  その人は俺を抱えて軽々と着地すると、俺の顔を覗き込んだ。 「大丈夫か」  綺麗な人だった。  短い黒髪に、同じく黒い切れ長の瞳。端正な顔立ちで、目尻には金色のアイシャドーが入っているみたいだ。それに、前髪の一部も金色だ。  その人は俺を抱えたまま、件の植物を睨んだ。  蔦を切られて暴れていた植物が新たな蔦を出してこっちに来ている。  俺は怖くて身を強ばらせていた。 『ライトニング!』  声が少し不思議な感じで聞こえ、稲妻が植物を打ち付けた。  迫った蔦、そして植物の本体らしいあの花に。花は電撃を受けて燃え上がり、ブスブスと音を立ってて動かなくなった。  これは本格的に、異世界っぽい。  いくら何でもこれが自分のいた世界とは考えられない。     
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