A級モンスター登場

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 翌日、ユーリスさんはモンスター討伐に行ってしまった。  俺は部屋のなかで一日を過ごしている。本当に何もなくて、外で大変な騒ぎが起こっているなんて想像もさせない穏やかさだ。  でも、落ち着かない。俺は何度も外を見て溜息をついている。本を読んでいても頭に入ってこない。浮かんでいるのはユーリスさんの無事ばかりだ。  最近、夢を見る。うたた寝の時とかに見るのが最悪だ。  ユーリスさんがモンスターに殺されてしまう夢。  そんなのを見て、叫ぶようにして目が覚めてしまう。  俺はどうしたんだろう。  顔見知りもいない、勝手も分からない世界でひとりぼっちになるのが怖いのだろうか。だからユーリスさんに縋っているのだろうか。  優しくて、強くて、憧れてしまうような人なのにどこか可愛くて。美味しそうに料理を食べる姿は清々しくてちょっと可愛い。目が輝くんだ、美味しいと思うと。 「今頃、食べてくれてるかな…」  彼のウエストポーチには俺の作った料理がたっぷり入っている。  食べて少しでも元気になってくれるといい。俺の作ったものがあの人の力になってくれるといい。 「俺、なんか他に出来る事ないのかよ」  弱い自覚はある。体力も増えたりしてない。魔法…なんてどう使っていいか分からない。色んな事がまごついてしまう。 「俺の役立たず…」  何か一つでもあの人の力になれるなら、俺は今頃あの人の側にいたのかな?
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