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もしそうなら、よほど金のかかった悪趣味なドッキリだ。
でもそんな事をするメリットなんてないだろ。
こんだけひん剥いたら放送コード確実アウトだよ。
「何だってこんな危険な森に、こんな軽装でいるんだ」
男は咎めるような瞳で俺を見下ろす。そんな事を言われても、俺だって理由が聞きたい。
「大丈夫か?」
「あぁ、はい…。あの、有り難うございます」
頭がまだトロトロだ。実は体の熱がまだ去っていない。尻の奥がジンジン甘く疼いている。
「あっ、俺、月白誠っていいます」
「ツキシロマコト? 言いずらいし、知らない名だな。どの種族なんだ?」
「種族? 人間…ですけど?」
22年生きてきて種族を聞かれる日が来ようとは。俺はなんだか可笑しかった。
けれど目の前の人は疑問そうに首を傾げている。
俺の体をくまなく見回して…恥ずかしいから見ないでほしい。
「人間だとしても、そんな名では…。それに人間なら、この森の危険を知っているはずだ。迷いの森に冒険者でもない、しかも軽装の者が入ればどうなるか」
それは身をもって知りました。そして俺としては、ここがどこかをまず知りたい。
「あの、つかぬ事をお伺いしてもいいでしょうか?」
「なんだ?」
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