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ユーリス・フェン・フィアンサーユ
俺が連れてこられたのは、そこそこ綺麗なロッジだった。
ちゃんと床にも木材が使われている。
ベッドがいくつかと、暖炉に薪。キッチンなんかもついている。
「珍しい、今日は誰もいないのか。まぁ、だが好都合だな」
そう言った男は俺を抱え上げたまま、奥にある扉を開ける。
そこは脱衣所だろう。棚に籠が入っていて、衣服を入れるような感じだ。
男はそのままズンズンと奥の扉を開ける。そこは木製の広々浴槽のある温泉だった。
俺はそこに丁寧に下ろされた。湯が温かい。なんだかとっても安心する。
「ここは薬泉が出るんだ。軽い怪我や疲労回復、それに解毒の効果がある」
「解毒?」
「君が飲まされたのは、タネヤドシという食肉植物の樹液だ。あれは酷い催淫作用がある。ここの温泉はそうした毒を解毒してくれる」
説明を聞いて、俺はとってもほっとした。徐々に体が楽になるような気がしたからだ。
「ほら、これも飲め」
差し出されたコップからはほんの少し湯気が出ている。飲んでみるけれど、白湯っぽい。
「ここの湯を水で割ったものだ。その様子だと口の中にも出されたんだろ? 飲めば体内に入った毒を早く解毒できる」
「有り難うございます」
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