【ユーリスサイド】 王都到着

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【ユーリスサイド】 王都到着

 アウンゼール王国の首都に辿り着いた。マコトを連れて役所へと向かった。  周囲を興味深げに見ているようだったが、比較的落ち着いて登録を行っている。  保護後見人には俺がなった。今後、マコトに危険をもたらす者がいた場合は俺が彼を守る立場になる。  マコトはどういうことなのか理解していないようだったが、何も言わずに名を書いておいた。  今はスキルを見るために教会にいる。  スキルは悪用される事もあるため、基本的に本人にしか知らせない。対象者が精神的に不安定な場合だけは例外的に保護者が知る事ができるが、これは本当に特例だ。  この間に、俺はクエスト終了の報告をギルドにしに行った。  今回受けていたのはここ、アウンゼール王国の使者を隣国リトラダール王国へと連れて行く護衛クエストだった。 「おう、ユーリス! 無事戻ったな」 「世話になっている、カトラン」  王都ギルドのギルドマスター、カトランは人族で、元はS級の冒険者だった。怪我を元に引退はしたが、その経験も実力も未だに衰えていない。  本人は「年だ、腰が痛い」なんて言うが、とてもそうは見えない50代中程の男だ。 「クエストは無事終わったんだろ」 「まぁ、そっちはな」     
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