「息子さんを俺にください!」は俺の台詞じゃなかったか

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「息子さんを俺にください!」は俺の台詞じゃなかったか

 翌日、俺は目が覚めた。  温かい腕に包まれてゆるゆると目が覚める。体は汗ばんでいて、でも心地いい。  どこからか食事の…パンの焼ける匂い…。 「うっ…」 「マコト?」  緩く目を覚ましたユーリスさんが、不審そうに見ている。当然だ、俺は口を押さえて上半身を起こし、突然と押し寄せた吐き気に困惑している。  またパンの匂いが…美味しそうに…。 「うぅっ」 「マコト!」  ダメだごめんなさい!  俺はベッドを降りて辺りを探してシャワールームに駆け込んだ。そして、こみ上げる吐き気のままに吐いてしまった。  どうしたんだよ俺の体。朝から肉が食べられる元気で逞しい胃袋なのに。  心配したユーリスさんが、涙目で吐いている俺を見て慌てて背中をさすってくれている。  それでも俺はダメだ。動けないし気持ち悪い。急速な変化に置いて行かれている。 「婆! 婆はいるか!」  俺の背中に温かなガウンを着せかけて、自分も素早くローブを着てユーリスさんが表に出る。  あぁ、なんかまずい。これ、フラフラする。  えっと……もしかするけどこれが悪阻って言うんじゃないんだろうか。  ぼんやり思いながら、俺はゲホゲホいいつつシャワールームの中に倒れた。     
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