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竜人の一族って意外といるんだね
翌日は朝からなんだかゴタゴタした。それというのも、お客さんがきたからだ。
「マコト!」
「ロシュ!」
思えば俺が屋敷を出てから会っていない。懐かしさと申し訳なさで俺は嬉しくなっている。
ロシュも満面の笑みを浮かべて俺に走り寄ろうとして、知らない誰かに首根っこを掴まれた。
「ロシュ、妊婦相手に走り寄るな」
「何だよリュミエール!」
「あ・ぶ・な・い! 突進でもして転んだら彼もお腹の子も流れるかもしれないんだぞ」
長い水色の髪の人物が言い聞かせるようにしている。
強い青い瞳はサファイアをはめ込んだみたいで綺麗だ。
ロシュも言われて気づいたらしい。格好を正して申し訳なさそうにしている。
俺はゆっくりと歩み寄って二人の前に来た。
「初めまして、マコト。僕は青竜一族のリュミエール。ユーリスには幼少の頃からお世話になっている。この度は結婚と妊娠、本当におめでとうございます」
「丁寧に有り難うございます。マコトと申します。今後もどうか、仲良くしてください」
とても礼儀正しいリュミエールの隣で、ロシュはなんだかウズウズしている。
「ロシュ、どうしたの?」
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