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王都を目指してどこまでも
料理も出来て準備は万端。俺はユーリスさんと一緒に馬屋へと向かった。
話によるとここは馬も売っているが、レンタルもしているらしい。
だが流石異世界、馬は馬でもただの馬ではなかった。
馬と聞いてサラブレッドのようなのを想像していたが、胴も足も首も太い。
短い白い毛は艶々で、光の当たり加減でエメラルドグリーンにも見える。
そしてでかい!
俺だって元の世界じゃそこそこ背は高かったのに、鞍の位置が俺の頭のてっぺんって。
そして普通じゃない理由一。この馬の額には金色に光る角が一本ある。
普通じゃない理由二。足元から何か緑色の妖気のようなものを放っている。
「いいユニコがいて良かった」
「ユニコ?」
どうやらそれが、この動物の生物名らしい。
何にしても乗り物らしい。
促されるまま二人用の鞍に乗るべく俺は鐙に足を掛けようとした。
だが、どうしてもかからない。
なぜかって?
そもそも足を掛ける輪の位置が俺の腰よりやや上だからだ。
どうしたってこれに乗れる気がしない。
そう思って四苦八苦していると、不意に後ろから抱え上げられた。
猫を抱き上げるような感じで脇に腕を入れられ体が持ち上がる。
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