9. それぞれの決意

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「志穂ちゃん、どうしたの?」  異変に気がついた宮下が志穂のもとへ駆け寄った。  圭人の視線が宮下に移る。 「知り合い?」  宮下が志穂に尋ねる。 「はい。なので先に行ってください。わたしは歩いて戻るので」 「でも、この状況を見過ごせるわけないだろう。君、その手を離しなさい」 「これは僕と志穂の問題なんだよ」 「だからって女の子を力ずくでどうにかしようなんて、最低の行為だって思わないか?」 「関係ない人間は黙ってて」 「わからないようだね。なら覚えておくといい」  宮下はそう言うと、圭人の手を掴み取り、楽々とひねり上げた。  圭人が痛みで声をあげる。 「宮下さん、やめてください」 「でも、こいつは──」 「いいんです。元彼なんです。ちゃんと話さないといけないって思っていたんで」 「本当にいいの?」 「離してあげてください」  そこまで言われ、宮下は渋々圭人を解放した。  だが圭人はさっきと変わらず挑戦的な目で宮下を見ていた。
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