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雪が降る。
空から舞い降りる白い花びら達。
わたしは今日もサフラン色の屋根の廃屋の前で彼を待っている。
わたしは目の端にいつもの黒い人影を捉えて声をかける。
「あっ。おはよう!高坂(こうさから)くん」
「チース。中原(なかはら)先輩」
彼の名前は高坂悠珠(ゆず)くん。
三年生のわたしよりふたつ年下だ。
わたしは中原文音(なかはら.もね)。
私立架純(かすみ)高校三年生だ。
高坂くんはいつも黒いタートルネックに黒いスウェットパンツをはいている。
うらやましいくらい黒が似合うひとだ。
わたし達の学校は私服高校だけどわたしは翠色のジャンパーに黄色いワンピースを着込んでいる。
まるで信号機だ。(笑)
その時始業チャイムが鳴った。
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