ライオン傭兵団編:episode02

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(四の五の言わせん。俺が直接出向く) (五月蝿いですよ) (フンッ、構うもんか) (ライオンのほうは任せます。――ところでベルトルド様、こんな時間まで、一体どこで、何をなさっているのでしょうか?)  突如、ガラリと声音が変わり、ベルトルドはギクッと片頬をひきつらせた。 (デ…テェトに決まっているだろう)  横柄に応じると、「ほーっ」と棒読みな反応が返され、更に頬がひきつる。 (まあ、アナタもいい年したオトナですから、細かいことまでは申しませんが。まさか、夫のいる女性と浮気なさっているとか、そんな非常識なことはありませんよね?)  ニコッ、と語尾につきそうなアルカネットの顔が、易易と想像できて、ベルトルドは肩をすくませた。 (ふっ、この俺が、そんないつまでもガキみたいな真似を、するわけがなかろう。もう少ししたら帰る。ああ、夜食はいらんぞ) (そうですか。それではお茶でも用意して…) (ゲッ)  ベルトルドはハッと目を見開き、部屋のドアへと顔を向ける。 (亭主が帰ってきただとぅ!?) (亭主?) (ヤベッ、見つかる前にずらからないとっ!) (……パンツくらは、ちゃんと履いて戻ってきてくださいな) (履いてる暇なんてあるか!!)     
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