ライオン傭兵団編:episode03

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ライオン傭兵団編:episode03

 目覚ましもなく、朝6時きっかりに、キュッリッキは目を覚ました。  小さな口をいっぱいに広げて欠伸をすると、ベッドから降りて、窓に駆け寄り勢いよく開けた。空は太陽の光に照らされて、明るい水色に染まっている。 「イイお天気」  軽く伸びをして背筋を正すと、洗面所に駆け出した。木桶に水をいれて、顔を洗う。桶の水を捨てて今度は歯を磨き、髪を梳かして髪飾りをつけた。  部屋に戻ると、引き出しが3つしかない小さなチェストの上の引き出しを開け、水色のシンプルなワンピースを取り出す。寝間着代わりに着ているシャツをサッと脱いで、ワンピースをまとった。  身支度が整うと、汚れた洗濯物をいれたカゴを取り、部屋を出て鍵を閉める。  薄暗い踊り場に出ると、古ぼけた木の階段を降りて建物の外に出た。  そこは芝生の生えた中庭で、顔馴染みの主婦たちが、洗い場で洗濯物を洗っていた。 「おはよう」  キュッリッキが挨拶を投げかけると、主婦たちは手を止めて「おはよー」とそれぞれ笑顔で挨拶を返してきた。 「仕事明けかい? 大変だねえ」  4人いる主婦の中でも、ひときわ恰幅のいい主婦が、隣にしゃがんだキュッリッキを労う。     
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