ライオン傭兵団編:episode04

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「ありがとう」  不思議そうにしながらも、大きな紙袋を受け取った。 「あと、今日の依頼主は12時くらいに来るそうだから、食堂で待っているようにとのことだ」 「はーい」  キュッリッキは紙袋を手に持って、2階の食堂へ足を向けた。  傭兵ギルドはどこも3階建てになっていて、1階は受付と酒場、2階は食堂と休憩スペース、3階は宿泊施設になっている。24時間営業で、常に傭兵たちで溢れかえっていた。  カウンターでサラダ抜きのドリアセットを注文して、キュッリッキは窓際の席に座った。そして手に持っていた紙袋を膝の上に置くと、紙袋の中に手を入れて、ゴソゴソ中身を探る。  封筒を見つけると、封を開けて手紙を取り出した。 『無事皇都まで送ってくれてありがとう。私にはちょっとサイズが小さくて着れなかったから、これあげる。仕事着に使ってね!』  そう書いてあった。 「……」  怪訝そうに眉をしかめて、紙袋の中を覗き込む。ひと揃の服が入っていた。 「あ…」  そういえば、と口パクで言って、ある会話を思い出す。     
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