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ライオン傭兵団編:episode04
キュッリッキが住んでいるこの街は、ハーツイーズという。海辺に広がる少し大きな街で、港には沢山の船が乗り入れる。貨物や商船、漁業船、旅客船など、皇都イララクスの海の玄関口でもあるのだ。
ハワドウレ皇国の皇都イララクス。ハーメンリンナと呼ばれる皇王や貴族たちの住む城壁で囲まれた街を中心に、海に向けて扇状に広がる一帯を、皇都イララクスと総称する。ハーツイーズは皇都イララクスに含まれる街の一つだ。
アパートは港の近くに建っていて、そこから徒歩30分ほどの距離に、傭兵ギルド・ハーツイーズ支部がある。
傭兵ギルドは世界中に支部を持ち、皇都イララクスにはハーツイーズ街と、エルダー街にあった。傭兵たちは住まいに近い場所の支部を利用している。
潮風を楽しみながら、のんびりハーツイーズ支部に着くと、キュッリッキは受付に到着を報告しに行った。
「ご苦労様、今朝荷物を預かったよ」
「荷物?」
受付担当の青年の顔を見上げて、ちょっと首をかしげる。
「昨日までの仕事の依頼主のトコの女の子が、これをキミに渡してくれって今朝来たんだよ」
受付カウンターの棚をごそごそして、大きめの紙袋を取り出し、キュッリッキに手渡す。
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