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 そうこうしていると、僕の順番になった。店員さんがせっせとピッピしている。 「あと、××番のタバコ、2箱下さい。」  静かな声で伝えた。  「はい?」  聞こえていなかったのか。それとも番号をまだ覚えていなかったのか。  じゃあ……。 「エイトスターのソフトを2箱下さい。」  少し音量を上げてみた。 「すみません、番号で言って貰えますか?」  やっばり聞いてなかったんかい。しかし、僕は大人なので、そんなことでは不愉快にならない。 「××番のタバコ、2箱下さい。」 「これですか。」  店員さんが僕に問いかける。 「はい。」  我ながら良い返事だ。  店員さんがタバコのバーコードを読みとらせる。すると、レジのこちら側に向いている画面にボタンが表示された。 「年齢確認のため、画面のボタンを押して貰えますか?」 「はい。」  良い返事ともに、言われたとおりボタンを押した。 「お客様、もう少し優しく押して頂いても大丈夫ですよ。触れる感じでも反応しますから。」  うわ。辱めを受けた感じがする。何も分からない田舎者よ、そのくらい分かれと言われている気がする。  じゃあ触れて下さいって言えよ。  でもまだ大丈夫。
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