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「お客様、会計が1498円ですので、くじが2枚ひけますよ。」  そう言って僕の前にくじが入った箱を差し出した。  意味も無く目を瞑り、箱の中に手を入れる。  よし。これだ。  引き抜いた手を見ると、間違って3枚引いていた。 「あっ。1枚戻すよ。」 「いえ、お客様、少々お待ち下さい。」  そう言って店員さんは、店員さんの背中の方にあるドアを開けて、中に入っていった。微かに声が聞こえる。 「おきゃ…………まちが…………さんま…………。」  それはわざわざ聞きに行くことか?そのおかげで、手に持った3枚のくじを箱に戻すわけにもいかない。しかも、よく見ると、3枚とも外れだ。 「お客様、お待たせして申し訳ありません。今引いたくじを箱に戻して頂いて、もう一度、1枚ずつ引いて貰えますか?」 「あ、はい。分かりました。」  再び引く。あ。当たりだ。  もう1枚。あ。また当たりだ。 「おめでとうございます。今お持ち帰りになられますか?」  当たりくじを見てみると、2枚ともアイスが当たっている。  今持ち帰っても、後で持ち帰っても、このコンビニと家との距離は変わらない。そして、家に持って帰るまでには、たぶんアイスは原形を保っていられないだろう。  
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