第二章 神袋 二

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 多美から、ホットケーキパフェの作り方を教わり、自分で作っていると、入口に五十鈴と少し似た面差しの少女がいた。少女は、不安そうに店内を覗いている。その横で、不貞腐れたように立っているのが、問題の彼氏であろう。  李下が俺と入れ替わりに帰ろうとしていたので、少し待機して貰った。 「李下さん、×が人を喰らう事は掟破りですよね?」 「その通りだね……ああ、気配があるよね」  俺は、入口に行くと少女に手招きした。 「五十鈴から聞いているよ。愛菜ちゃんだよね?」  頷いたので、愛菜であろう。すると、少年が先に店内に入ってきた。 「出る定食屋でしょ。見せてよ。幽霊がいるのでしょ」  少年は店内に入ってくると、見回していた。 「あ、こっちの席にどうぞ。愛菜ちゃんは、パフェでいいかな?そっちの彼氏は、定食なの?」 「コーラでいい」  随分と態度の悪い少年であったが、自分が呪われていると言われれば、警戒もするだろう。  俺は、ホットケーキパフェを二つと、コーラを持つと、愛菜の前に座った。 「俺は、こんなパフェは頼んでいないよ!」 「これは、俺の」  味見を兼ねて食べてみる事にしたのだ。 「ええと、そっちの彼は?」 「田辺!」  田辺はかなり怒っていた。 「俺は、愛菜ちゃんの兄の友人で、上月 守人。霊能者とかではないし、霊媒師でもないよ。普通の学生。でも、話しを聞かせて欲しい」 「帰る!普通の奴に話しても、しょうがないし、俺は信じていないからな」  そこで、愛菜が泣きそうになっていた。田辺は自分の怒りだけしか見えておらず、愛菜が怖がっている事を理解していない。  愛菜がこんなに怖がるには、何か理由がある筈であった。 「何からお話したらいいのでしょうか?」  愛菜は、怖がってはいるが協力的であった。 「まず、やり方とルール、どこで教えて貰ったのかが知りたい」  愛菜は、ゆっくりと頷くと、少し考え込んでいた。でも、ホットケーキパフェのアイスが溶けるので、食べる方も勧めてみる。愛菜は、小さく笑って、スプーンを持った。 「神袋のやり方は、先輩から聞きました。部活の先輩は、顧問と折り合いが悪く、いつも選手から外されていました。顧問は、明らかに公平ではありませんでした」
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