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先生も人間なので、好き嫌いは出る。それは、子供には大変な罪に思えるが、会社員になっても上司はいるので、社会の始まりだと思うしかない。
「同じ怒りを持つ先輩五人で、神袋は始まりました」
すると顧問は事故に遭い、長期休養になった。
そこで、選手の入れ替えがあり、五人はレギュラーになった。でも、それを妬んだ数人が、神袋を始めたが、途中で止めてしまった。
「レギュラーになった先輩達は本当に凄くて、先生が誤っていたと、皆も気付きました。だから、神袋は途中で終りました」
愛菜は、その後を知らなかったが、田辺が神袋を破ったと聞いて、卒業していた先輩から電話があった。
「紙袋を途中で止めた三人は、大学に進みましたが、行方不明になっていました」
そんなのは嘘だと、近所に住んでいる一人の先輩の家を訪ねた。すると、母親が出てきて困っていた。大学の近くのアパートを借りたのだけど、連絡が取れなくなって訪ねてみるといなかった。その後も、電話も掛からないし、何度行っても部屋は留守であった。
「行方不明は本当でした」
後ろに気配を感じると、李下が同じくホットケーキパフェを食べながら、話を聞いていた。
「……今回、田辺君は神袋を破りました。最初に願いを掛けた、河南(かなん)さんは、精神を病み休んでいます」
それは、神袋と関係があるのか微妙であった。神袋は、当事者を暗示にかけやすい構造をしている。
「その、神袋の作り方を教えて欲しいな」
そこで、愛菜はやり方を李下に教えていた。終始、不貞腐れている田辺は、でも少し愛菜の不安を理解し始めていた。
「……俺は、神袋なんてバカバカしい事は止めろと言いたかった……」
それも、普通の反応であろう。しかも、彼女の前なので、大きく出てしまったのかもしれない。
「李下さん、どうしました?」
李下は、食べながら時折唸っていた。
「原因は突き止められても、俺も呪いは解けないな……」
李下に原因が分かるとすると、これは掟破りの×の存在がある。
「どうしてですか?」
「始まった時に、契約されているからだよ。そして、契約はどちらかの死によって解除不能になるしね」
これは、愛菜に聞かせるわけにはいかないので、李下に後で説明して貰おう。
「呪いの、影響を少なくすることはできそうだ。上月君、身代わりを用意して。より強力なものがいいな……」
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