落書き

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 まるでこれに続くように、数人の友達が次々と亡くなったのだ。  一人は交通事故死で即死。ダンプに押し潰された死体は血の海に沈んでいたという。  別の一人は、春スキーの最中に行方が判らなくなり、捜索の末に発見された時にはすでに凍死していたという。氷のような遺体は血の気もなく真っ白だったそうだ。  さらに別の一人は、少し前から具合を悪くしていたのだが、軽く見ていたら黄疸が出て、慌てて検査をしたところ肝臓癌であることが発覚。すでに手遅れで、入院から僅か一ヶ月でこの世を去った。  黒焦げの焼死体。血まみれの交通事故死体。どこまでも白くなった凍死。黄疸が出ての病死。  黒、赤、白、黄色…死体の特徴に現れた色が記憶の色彩とリンクする。  あの日、神社の壁に吹きつけたカラースプレー。それぞれが、それぞれの持っていた缶と同じ色に染まって死んだ。  だったら俺は? 青色のスプレーを吹きつけていた俺は…?  立て続いた仲間達の死。それ以来俺は、青を強く連想させるものを極端に避けるようにしている。  当然だが、海にも川にも池にも近づいてはいない。それでも生活している以上、水に関わらない訳にはいかないのだ。  真夜中に蛇口から滴る一滴の水音。今の俺はそれにすら怯えながら暮らしている。 落書き…完
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