第2章 謎の発光生命体

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 このまるで理解不能でおかしな状況を、なぜ家族は誰ひとりとしてつっ込まないのか。  混乱してショート寸前の脳が詰まった頭を、そうすることで機能改善するとでも言いたげにバリバリと掻く。 「紅葉さん・楓さん、夕飯、お鍋でいい?」これは冬。 「肉厚の天然ものが手に入ったから、たらちりにしようと思うんだけどどうかしら?」これは母。 「いいですね! 今夜は冷えますから、熱燗と一緒にいただくとしましょう!」紅葉野郎がそう陳ずれば、  今度は親父が顔のぞかせて、「年の瀬~明け用に取り寄せたのがありますから、どれか開けましょう。どれにします? 燗にするなら……」 (てめーら、いい加減にしろよ:怒 なにフツーに夕飯の相談してんだ!? どうすりゃ傷心の息子ほっぽらかしで謎の発光生命体と意気投合し、一緒にたらちり囲むことになるってんだ!? 何で人間より高次元の生命体が冷えるから熱燗で~とか言ってんだ、あぁあぁぁあーっっっ ←以上、秋の心のツッコミというか絶叫)
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