第4章 家族会議 with 謎の発光生命体(天使)

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 そして現在(いま)、謎の発光生命体は上座に陣取り、相も変わらずピカピカと発光を繰り返している。  なぜか神妙な空気が醸し出されるなか、母と妹が「クリスマスまであと5日ね。プレゼントの準備は済んだ?」などとささやき合っている。  時節柄、電飾扱いは止むなし――秋と両親、妹、それに謎の発光生命体の計5(6)人による〝家族会議〟は、こうして幕を開けた。  会議の内容は意外にもシンプルだった。謎の発光生命体曰く、自分は天から遣わされた者、いわゆる天使だという。 「「「えーっ、紅葉さんも楓さんも天使なんですか? 宇宙人じゃないんですか?」」」 (……もう何だろうとどうでもいい。俺の“天使の概念”をサラッと上書きしやがって)  そして、  彼(彼女)が言うには、2つある選択肢のうちどちらか1つを選んでクリアすれば、秋はすぐにでも再出発できるという。父も母も妹も、歓喜して目を潤ませている。秋自身は、まるで他人事のように聞き流している。 (この状況でそんな話されて、誰が信じるかっつーの!)  とは言え、秋だって分かってはいるのだ。自分がどれだけ家族にストレスを与えているか――分かっている……ちゃんと。
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