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4 美咲・貴彪『暴露』
「お~い四葉、生きてるか?
さっき何か変な音が___」
ようやく息を整えて、美咲に声をかけた貴彪。
死んだように突っ伏していた美咲は、彼にオシリを向けたまま、ヨロヨロしながら立ち上がった。
「……ふっふっふ」
「?」
「ふ、ふははっ、
あーっはっはっは…はっはっはぁ」
「ど、どうした。とうとう気が触れたのか」
よくみると、彼女の頭頂部にはベッドの底でやってしまったらしい、小さなハゲが出来ている。
普段、氷のように冷たい心を持つ貴彪。
彼が他人の気持ちを慮ることは極めて稀だったが_____
さすがにこれは……可哀想だ。
憐れみの眼差しで彼がハゲを見つめていると、美咲はくつくつと肩を揺らしながら、ゆっくりと振り返った。
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