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「そーら、藤城カチョー。
これをよくご覧なさい。
アナタが夜な夜なこのようなご本のお世話になっていることを、会社の女子の皆さんに知られてもよいのですか?」
本の埃を落としながら、ペシペシとその表紙を叩く。
「……」
「黙ってないで、私に許しを請うのですよ。
さーあ、分かったら私の足下にひれ伏すんだあっ」
シモベ四葉は、有頂天だった。
と____
「ああ、これは……懐かしいな」
「ハーッハッハ、そう、『懐かしい』っ!最初からそう言えば…
え?
懐かし……い?」
意表を突かれ、キョトンとした美咲の手元から、貴彪はスッと冊子を抜いた。
それをパラパラと捲りながら、目を細めて眺めている。
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