4 美咲・貴彪『暴露』

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「ちょっ、それは…一体どういいうことで?」  ノスタルジックな表情を浮かべている貴彪の後ろに回り込み、美咲は彼の背中から、その手元を覗き込んだ。 「ああ…あった、これだ」 「うわっ」  彼が示したページには、暗い色調の恐ろしい絵画が見開きに印刷されている。 「『息子を食らうサルトゥヌス』。 俺の守役だった男が、小さな頃、俺によく見せた絵だ。  “父親に喰われるな” 何度もそう言われたが、これがまた気色悪くてな。  この絵も守役の男も、俺は大嫌いで…あんまり嫌だったから、ある日このベッドの下に隠してしまったんだ。  はっ、たかがこんな印刷物がな。  で、これがどうしたんだ?四葉」 「あ、いや、べ、別に…」  ハハハ…  苦笑いで誤魔化す美咲に、今度は貴彪が迫る番だった。 「そういえばお前さっき、俺に『ひれ伏せ』とかどうとか言ってなかったっけ?」 image=507688347.jpg
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