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しかし。
ギューーーッ…
「くっ、くふふっ……にゃはっ」
何というか。
ギュムーーッ…
「う……ふうっ……うあっ」
だ か ら!
グギュウウウウッ…
「いっ、痛っ。
イタイッ、イタイようっ!
カチョー、ギュウギュウしちゃイヤ~」
「でぇぇいっ、
妙な喘ぎ声を出すんじゃねえっ!
お前がイタイわっーーー」
「ひぃぃぃぃん、だってえ」
__________
さあ、仕切り直しだ。
「いいか、絶対数声出すんじゃねえぞ」
「何かそれって悪人台詞…」
「ダマレ!」
貴彪は、タックルでもするように美咲の腰に腕を回し、懐深くに抱え込んだ。
「うはっ」
「うるさいっ! …コホン
じゃあ、そろそろイくぞ」
「は、はひっ」
せえのっ。
心の中で掛け声をかけ、力の限りに引っ張ってゆく。
「うああんっ。
イタイ、イタイヨー!」
あわれな泣き声が響きわたる。
そのあまりの切なさに、貴彪は一旦力を緩めた、その時。
ん?
「おい四葉。
肘と頭を下げるんだっ!そこが引っ掛かってるから、いくら引っ張っても抜けないんだっ」
美咲を抱え込んだ貴彪は、さっきよりずっと低い姿勢をとっていた。
そのため、暗いベッド下の奥の様子を知ることが出来たのだ。
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