3 美咲・貴彪 『救出』

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 しかし。  ギューーーッ… 「くっ、くふふっ……にゃはっ」  何というか。  ギュムーーッ…  「う……ふうっ……うあっ」  だ か ら!  グギュウウウウッ…  「いっ、痛っ。   イタイッ、イタイようっ!  カチョー、ギュウギュウしちゃイヤ~」 「でぇぇいっ、  妙な喘ぎ声を出すんじゃねえっ!  お前がイタイわっーーー」 「ひぃぃぃぃん、だってえ」    __________  さあ、仕切り直しだ。 「いいか、絶対数声出すんじゃねえぞ」 「何かそれって悪人台詞…」 「ダマレ!」    貴彪は、タックルでもするように美咲(シモベ)の腰に腕を回し、懐深くに抱え込んだ。 「うはっ」 「うるさいっ! …コホン  じゃあ、そろそろイくぞ」 「は、はひっ」    せえのっ。  心の中で掛け声をかけ、力の限りに引っ張ってゆく。 「うああんっ。  イタイ、イタイヨー!」  あわれな泣き声が響きわたる。  そのあまりの切なさに、貴彪は一旦力を緩めた、その時。  ん?   「おい四葉。  肘と頭を下げるんだっ!そこが引っ掛かってるから、いくら引っ張っても抜けないんだっ」  美咲を抱え込んだ貴彪は、さっきよりずっと低い姿勢をとっていた。  そのため、暗いベッド下の奥の様子を知ることが出来たのだ。   image=507323551.jpg
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