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『光の国』の協議は、子どもと家族が幸福になること。
命をわかったふたりというのだから、恋人か夫婦か、まずは基本の家族というだろう。
しかし現世で恋人を望んでも、どうしても手に入れられない者はいるわけで……。
中嶋教祖はそういった者たちに、来世での幸福を約束する。
そのために現世で修行を積む。
まあ、どこにでもある新興宗教集団の教義だ。
だが、あの儀式は……。
『胸くそ悪い』
思い出しただけで気分が悪くなってくる。
嫌悪感しか湧いてこない。
しかし、
「では、迦陵頻伽の詩を聞いても、皆が導かれるわけではないと?」
真鍋の話を聞く高広の顔には、本当の感情など微塵もみえない。
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