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やがて、女の歌が最高潮に達したまさにその時、
――!――
低い風切音がして、どこからか矢が放たれた。
クロスボウの矢は、鳥かごの中で歌う女の腹に突き刺さる。
「キャアアアアア!」
これまでのしめやかな声が嘘のような悲鳴あげて、女はもんどりうって倒れた。
しかし、矢は立て続けに放たれて、女の足といわず肩といわずに突き立つ。
「あああああ! やめて! 痛い、痛い、痛い……」
女は助けを求めるようにカゴの中を暴れ、柵に縋って両手をかけるが、その刹那、
「!」
放たれた最後の矢が、柵の間をすり抜けて、女の眉間に突き刺さった。
「――あ」
女は、涙の溜まった目をカッと見開くと、力を失い、ずるずると柵を撫でるように手を滑らせていく。
鳥かごの底に倒れた。
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