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幼少、小学生時代をそのようにすごし、気付けば中学に上がる年齢になっていた。
高学年に上がるにつれて協調性を持ちなさい、とやんわりと先生や親からたしなめられていたこともあり、中学にあがってから部活に入ろうと思い立った。周囲に諭されるのが面倒にかんじたこともある。せっかくなので部活は手芸部に入った。
ただし、この部活は部活動の強制入部で使われる隠れ蓑らしかった。公立の学校ならよくあるらしい。だからほかのメンバーはまれに、部長はたびたび部室に来るくらいだった。
作るものはビーズを使ったアクセサリーやケーキや動物を模した小物といったところで、ほかのメンバーがやってこないことを利用して、よく遅い時間まで没頭しては母親を困らせていた。
その母親といえば趣味で作っていたことはあったが私ほど過剰に小物づくりへに興味を抱いていたわけではなかったらしい。わたしはそれを幸いに思い、昔母が集めていたらしい布や道具を拝借してはよく作っていた。材料費が浮くので助かっていた。母からはべつに咎められたことはない。
中学でも友人との親交は級友という枠からでなかった。見知っていた顔も多かったし、柄の悪い人種に目を付けられても困るのでなるべく目立たないようにしていたからかもしれない。
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