25話 ゲノムの渡し手

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三柳の指輪が1つ光っている。 そして、その手からばらばらと鍵が落ちた。 「生きていない物体を創れる能力」 三柳は手のひらを振り、それとともに鍵が作られている。 コケにするために、私達にあえて偽物の鍵を渡したということだろう。 むかつく男だ。 「さて、いつまでもちんたらやっててもしょうがないねぇ」 三柳がそう口にした。 それとともに、地面に広がっていた大きな扉が開いていった。 ゆっくりゆっくりと開いていった。 「さて、問題です。 僕達は何のために生きていたのでしょうか?」 三柳はこちらをしっかり見て、そう質問してくる。 私達はその質問に答えない。 ゆっくりと開く扉から化け物が出てくる気がする。 十中八九、"ゲノムの渡し手"とかいう化け物だろう。 「バカが言った。 全ての生物は子孫を残すために生きているのだとねぇ。 ならばなぜ、生物は進化する? 我らは猿の子孫と言えるのだろうか? 子孫を残すために生きるというのは、生物の進化と真っ向から反対する論だと思わないか?」 三柳はとても楽しそうに、そうのたまう。
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