25話 ゲノムの渡し手

2/8
前へ
/233ページ
次へ
笠原君が三柳のピンク色の線により殺されてしまう。 しかし、突風が吹いた。 その突風で三柳が吹っ飛ばされた。 緑原さんが新しく手に入れた、風の指輪の能力だろう。 その場にうずくまっている笠原君の元に、杏奈ちゃんが向かう。 そして、その手で笠原君の傷ついている部分に触れた。 その瞬間、笠原君の傷がきれいさっぱり消え去った。 杏奈ちゃんの回復の能力で、笠原君を回復させたのだ。 吹っ飛ばされた三柳は、なぜかへたり込んでいる。 気でも失ったのだろうか? 再生能力とは矛盾があるが、三柳は動かないのだ。 「これ、手に入れたぞ」 笠原君が、手に一本の何かを持っている。 鍵だ。 銀色の扉を開くことができるであろう鍵だ。 「さっき盗んだんだ」 やるなぁ。 笠原君は三柳の近くに寄った際、ポケットの中からその鍵を盗んだらしいのだ。 ならば、三柳を倒す必要すらない。 私達はゴールまで走った。 銀色の扉まで到着した私達は、鍵を突っ込んだ。 しかし、錠は全く開きはしなかった。 「いひゃひゃひゃひゃ、簡単に鍵を渡すわけねぇじゃん」 気を失っていたそぶりをしていた三柳が、立ち上がった。
/233ページ

最初のコメントを投稿しよう!

88人が本棚に入れています
本棚に追加