25話 ゲノムの渡し手

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「なら、あなたはなぜ私達が生きていたと思うの?」 緑原さんが質問した。 「いひゃひゃひゃひゃひゃ。 俺達が生きていた理由、それはゲノム、つまり遺伝子を運ぶためなんだ。 我らより上位の存在、それが最初の生命体を地球に放った。 そして、その最初の生命体の子孫は進化し、進化し、進化し、進化した。 そして、進化の果て。 その最終形態を我らは渡すことになる。 最初の生命体を地球に放った上位の存在にねぇ。 その上位の存在がそこになんの意味を見出すのかは分からない。 だが、俺を含むすべての地球上の生物は、進化によりそのゲノムを昇華させてきたんだ。 それこそが、我らが生きる意味だったんだ。 つまり、我らはゲノムの運び手。 そして、その運んできたゲノムを上位の存在に渡す存在がいる。 それは、俺が創らせてもらった。 地球のありとあらゆる生物のゲノムを吸収した、生命体。 それこそがゲノムの渡し手。 最高にして、最終の生命体だ。 いひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。 なあ、そうだろう? ジャバラよ」 三柳が天井を見た。 まるで足の裏に粘着テープでもついているのかと思うほどに、ジャバラという女が重力を無視して天井につり下がっていた。
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