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「なら、あなたはなぜ私達が生きていたと思うの?」
緑原さんが質問した。
「いひゃひゃひゃひゃひゃ。
俺達が生きていた理由、それはゲノム、つまり遺伝子を運ぶためなんだ。
我らより上位の存在、それが最初の生命体を地球に放った。
そして、その最初の生命体の子孫は進化し、進化し、進化し、進化した。
そして、進化の果て。
その最終形態を我らは渡すことになる。
最初の生命体を地球に放った上位の存在にねぇ。
その上位の存在がそこになんの意味を見出すのかは分からない。
だが、俺を含むすべての地球上の生物は、進化によりそのゲノムを昇華させてきたんだ。
それこそが、我らが生きる意味だったんだ。
つまり、我らはゲノムの運び手。
そして、その運んできたゲノムを上位の存在に渡す存在がいる。
それは、俺が創らせてもらった。
地球のありとあらゆる生物のゲノムを吸収した、生命体。
それこそがゲノムの渡し手。
最高にして、最終の生命体だ。
いひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。
なあ、そうだろう?
ジャバラよ」
三柳が天井を見た。
まるで足の裏に粘着テープでもついているのかと思うほどに、ジャバラという女が重力を無視して天井につり下がっていた。
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