三章 白銀、次の舞台へ

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まだ私の意識はこの世界に留まっている ですが、少しずつ……恋華さん(わたし)と私の意識にズレが生まれはじめてしまっている。 それは、当然と言えば当然で…… だからこそ。こうしてまた、この世界に目覚められた事に安堵を覚えるのでした 「………」 掛け布団をはがして少しだけ温もりの失われる感覚を寂しく感じながら体を起こす 「おはようさん」 天樹 コウタは私より早く起きてゆっくりと此方に歩いて来る。 足取りが見てて不安になるが、その体を支えるのは足だけ つまり、壁に寄り掛からず此方へ来ている。 「………おはようございます。朝から何を?」 「朝食、作ってみたからどうぞ?まあ、簡単なのだけどな」 彼が指差した先の、テーブルの上には少し崩れた玉子焼き、そしてサラダが置かれていた。 気がつけば、味噌汁の良い香りもする。 「………体、良くなってるんですね」 「まあ、まだ完調には程遠いけど……アンタの言葉が効いたのかもな。」 天樹コウタは私の言葉に微笑んで見せた。 私は、彼を諦めさせようとしていた……ですが、彼は諦めるどころか奮い立った いえ、正しくは震え、立った……と言うべきですか ーーーーー 「ーー無駄な苦悩を背負う事なく現実を受け入れなさい」 あの時、私はそう言って彼を見ました。 「………君が、強く願えば」 彼は私を見上げながら四つん這いになる 「全てが現実になるだろう」 腕に力を込めて片膝を浮かせて立ち上がろうとする。 額に汗を、体は震えを発し今にも倒れそうになる 「ぐっ……選ばれし者、ならばーーってな」 ある歌詞を口ずさみ、痛みを噛み殺しながら彼は尚も自身と戦っているように震えていた 「止めなさい……無駄な真似を」 「俺は選ばれし者じゃないだろって?」 余裕なんてないのに、彼は不敵に笑うと……一気に立ち上がる。 「っ、ふ、ほっ……俺を選んだ物好きがいてね。……現実に出来ちゃうのよ」 「滅茶苦茶な事を……何故、そこまでしなくてはならないのですか?」 フラフラと倒れそうな体のバランスを取りながら笑う男に苦言を述べる。 女の事を物好きと言うならば、この男こそ物好きではないだろうか? 「まあ、それはまた今度話すさ。だから……そう、無理して怖い顔作らずに優しく見守ってはくれないかい?」 と、逆に彼は私に折れる事を促して申し訳なさそうに微笑みました
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