二章 メイド喫茶、行ってきます

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「じゃあな。精々、観光を楽しでってくれ」 「この場で私を始末しないのですか?」 男は私に背を向けて歩いて行く。そんな彼にわざとらしく無粋な質問を投げ掛ける 「アンタに敵対の意思がないなら此方だって無駄骨は折らない。アンタと絡むと『道』から逸れかねないからな」 「どうだか。対策の一つ二つ打たれてそうですが」 いや、恐らく打たれてるだろう。ですが、わざわざ面倒事にするつもりはないと彼は言っているのでしょう。 「そうですか。では、貴方の好意に甘えましょう。 さようなら、謎の誰かさん。 貴方の物語の結末に、小さな喜びがあることを……気持ちばかり願っています」 去っていく彼に言葉を投げ掛ける。彼は振り返ることなく、己の道 を進み続ける。 その道が、どれだけ人を傷つけるのか その道が、どれだけ罪深いことか 先の言葉は慈悲ではない。私はただ、信じてるだけだ 彼の敷く闇の中で輝く星達が……やがてその闇を払いのける、物語の終わりを……。 …………… 「今日はここまで、ですね」 男が去り、私もまた帰路につく。 口約束通り、監視の目はない。 まあ、私に干渉することは例え千里眼でも、不可能なんですが……。 と、脚に何かがぶつかる 私はぶつかった物を手に取ると、目を細めて覗き込む。 「先程の騒動に紛れ込んだのでしょうか…… まあ、彼らのスパイではないでしょうし、持って帰りますか」 と、私は落ちてたミニカーを自分の物にする子供のような気紛れさで、掴んだ 『バットバイラルコア』と共に再び歩き出した
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