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「戻りました」
「お帰りなさいませ、お嬢様?」
自室のドアを開けると、天樹は地面に寝そべりながら返事を返した。
「………」
男を観察する。全身に汗をかき、疲労で息も上がっている。
私が出てからずっとリハビリを続けていたのでしょうか……?
「今日は、TVに映っていた白いライダーに出会いました。」
「へぇ……」
「……。お仲間も心強そうで、余程の相手でなきゃ負けないと思いますよ?」
「……それで?」
天井を見つめながら返事を返す彼。私が何故こんな話をしたのか、それを考えてる筈だろうに、その表情は殆ど変化がない
「わかりませんか?貴方が再び戦場に戻らずとも物語は終結する………いえ」
気がつけば、私はこの男に対して辛辣な言葉ばかりかけてしまっています。
それを栖井恋華(ワタシ)は非難しますが、それでも話すことを止めようとはしません
「貴方がいてもいなくても、きっと何も変わりません……。
貴方はこれまで充分やった……無駄な苦悩を背負う事なく現実を受け入れなさい」
何故なら、この男を止めたかったから。
1人の女に翻弄され、死線をさ迷った挙げ句……力も、かつての体すら失った
唯一、最後に残った命まで失うつもりですか?
ですから、私は彼を諦めさせようと思うのです。
それが、私に出来る借りの返しかた、ですから
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