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『栖井 恋華(スイ レンカ)』
それが私の名前です。
現在独り暮らしをしながら東京の大学に通う20歳。
趣味は読書、特技は直感任せのクイズ当てと言った何処にでもいる普通の学生
だったんですが
『やっと、丁度良い体を見つけました』
そんな、頭に直接入ってきた一言で、私の生活は激変してしまいます。
「ぶぶ!………だ、誰?」
口に含んでいた珈琲を吐き出してしまい、読んでいた本が汚れてしまう。
慌てて拭き取りながら私は声の主を探す……が、自宅には私だけ。
不動産屋は訳アリ物件とは言ってなかった筈ですが……
『幽霊じゃないですよ。恋華さん。少し、違う世界から貴女に話し掛けてるんです』
ーーは?
話が飛躍しすぎて意味が分からなかった。
そもそも、本当に幻聴の類いが聴こえてる自分が不安になってきた。最近レポートが山積みで忙しかったからでしょうか
『……話が進みませんね』
普通、そうでしょう
『では、まずは理解することから始めますか……』
少し声の主は困ったようにしていたが、やがて何かを思い付くと、タイミング良くスマホが鳴る。
「……誰だろ、もしも………」
耳にスマホを当てた瞬間、音は無いのに私の脳には情報が伝達され始める
平行世界
仮面の戦士
混沌とした世界
栄光の7人
名前無き英雄
それらを始めとした無数のワードが、そして映像が、物語が頭を駆け巡る。
私は朝は特撮なんて見ません。ですが、この瞬間私の脳には膨大な量の知識が叩き込まれてしまいました
「あ、あれ?私………」
気づけば私はいつの間にか電話を手放して机に突っ伏していました。
『えっと……手荒くてすみません』
声の主から謝罪が聞こえる。
「はぁ。わかりました、大人しく話を聞きますから……話を進めてください」
と、私は無駄につもり積もった知識のせいで彼女の言う『違う世界』を認識してしまった故、話を進めさせることにしたのですが………
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