一章 男、拾いました

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「この世界ではあくまでTVの出来事ですか……それに、鎧武までは認知されてますが、それ以降の物語は始まってないんですね……」 独り言を呟きながらスマホで情報を集める。まず、この世界と自身のライダーに対する認識のズレを確認しようと思った次第で…… 実際、この世界において私の知識は未来人扱いになるでしょう。 これは平行世界間で多少時間や物事の発展、進歩にズレが出てしまうので不思議ではないのだが…… 「恋華さん(私)ははまっていませんでしたが、ライダーサモン……この世界で流行っているコレ、ですが」 スマホの画面にはライダージュエルという宝石を向かい合わせて出撃させたホログラム同士で戦わせる動画が流れていた 現在、このライダーサモンは遊びの領域を抜けて国民的なブームになり場所取りや諸々の取り決めに使われる事もあるらしい 「……ここ数年で普及されたようですが、……これは明らかに『あの戦い』の続き、ですね」 かつて、平行世界越しに見ていたその戦いは多くののライダー、怪人が一つの敵に戦いを挑み…… ライダーは変身能力が 怪人に至ってはその存在そのものが 『力』として抜き取られた 「……、極稀ですが模造品の中に混じっている力そのものが宿ったジュエル。一般に流通してるとなる、と……」 この先に起こるであろう混乱と、そしてある組織の暗躍を予想する。 「……考えても仕方ありませんね。郷に入っては郷に従えと言いますし」 あの戦いの時は傍観するだけだった。だけど、『次』があるならば私はかつて自分が護られたライダー達に借りを返さなくてはならない だが、まずはこの世界のルールに従いながら立ち回らなければ、と私は再び動画に視線を戻した
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