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朝になると、俺はいつも通り自分の部屋で寝ていた。時計を見れば月曜の朝、五時半とかいてある。
「・・・」
ぼーっとしていたが、少しずつ思い出してきた。
「なんかすげえ長い夢見てた気がする」
店長が狼男で、猫又っていうおねえマッチョに襲われて、池で溺れて死に掛けて。
「散々な夢だ・・」
頭を抱えつつ、起き上がる。どんだけすごい夢を見たとしても、今が月曜の朝だという現実に変わりはない。
「会社いくか」
やれやれと体を起こした。
ぴろりろりん♪
「いらっしゃいませ、ってお前か」
ヤクザ店長がいつものごとく煙草をふかせながらレジ後ろで雑誌を読んでいた。当たり前の事なのに、それがすごく安心した。
「にしても変な時間に来たな、会社はどうした」
店長の言うとおり今は朝の九時で、普通なら会社で働いている時間だ。俺はもごもごと小さな声で説明する。
「・・・今日、祝日だって忘れてた」
「ぶっ!だっせえ」
「うるせえな!」
拭き出して笑う店長の前を通り、お弁当コーナーに移動した。今日はもうここで食料を調達して家に帰ろう。
「いいじゃねえか、祝日。ハッピーホリデーって奴だ」
「ちっ馬鹿にしやがって」
「そんなに拗ねるなよ。ほら、ジャーキーやるから機嫌直せって」
「なにがジャーキーだ、狼男じゃあるまいし嬉しくもねえよ」
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