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マモルは、まったく買う予定がなかったホタルカズラの鉢を何となく買った。
今、思うと「彼女」に引き寄せられて買ったという表現が正しいかもしれない。
ホタルカズラは日をあたるところを好むとインターネットの「ホタルカズラのサイト」に書いてあったので、日中は日があたる窓際で置き、霧フキをつかってホタルカズラ全体を濡らした。
ホタルカズラは夜になると、青白く光るらしいが、マモルの買ってきたホタルカズラはいつまでたっても光る気配がみられなかった。
婚約者の有里に「買ってきたホタルカズラがいつもたっても光らないのだ」とデートのさいに言ったことがあった。
「そんな役に立たないものはさっさと見切りをつけちゃえば」とあっさりという有里が言った。
マモルはそこまでは割り切れないし、特にこの買ってきた、この「ホタルカズラ」には愛着が湧いてきたので「捨てるなんて、とんでもないと考えて」デートでの有里との話題をすぐに変えた。
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