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マモルはびっくりしながら、ホタルカズラに話をかけてみる「きみは話ができるのかい」と
話をかけると、そのホタルカズラは答えた。私の名前は「かをり」と答えた。
彼女の話を聞いていくと、どうやら彼女は雌花のようである。マモルの話やテレビやラジオなどを聞いて、実用日本語を学習したようだ。
最近は、電波と彼女たちの持つホルモンとが、共鳴しあうことから電波を使い、インターネットから次々と新しい知識を仕入れているようだ。
語学の面では中国語「北京語や広東語」や英語も理解し話せるようになった。
今もその知識は飛躍的に増えているようだ。
マモルは驚いて彼女の話を聞いていたが、一方ではこれは当然かもしれないと考えた。
人間や他の動物がもつ脳だけが知性の中心ではないのだ。
人間の最高の寿命の百十五歳なのは人間の年齢で言えば一万年ちかく生きる木もスウェーデンには存在するらしいのだ。
これらのこと踏まえて考えると植物のもつ知性を現代の科学では理解できないことは当然かもしれない。
植物は「もの」と考える人もいるが、真実はまるで異なようだ。
私たちと同じように活発に生きているのだ。
自分のことを「かをり」と名乗るこの雌株は、マモルに「私はあなたのことが好き」といった。
マモルは大変驚いたが、彼女の話を黙って聞いていた。
どうやら、マモルの体からでる男性フェロモンが彼女のもつ受容体に結合し、下流のシグナル伝達が活性化する。
最終的には、核にシグナルが伝わり「かをり」は、活性化するようだ。
活性化することは彼女に「快楽」を与えるようだ。
この「快楽」は、ホタルカズラの雄花から来た花粉と「受精」する際に感じるのと同様なものだった。
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