本編

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 親譲りの貧血持ちでいつも損ばかりしている。  僕の両親は二人共貧血持ちで、それが僕にも遺伝したらしい。  学校の朝会ではいつも途中で退場し保健室に行くことになる。  あんまり回数が多いものだから、ついには学校から僕は朝会に参加しなくてよろしいとお墨付きをいただいた。  クラスメートたちは僕のことをうらやましがったが、みんなが校庭にいる時に一人教室にいるのはとても寂しいものだ。  でも最近はあまり寂しくない。僕と同じ貧血持ちが増えたからだ。  退屈な授業で午前が終われば、昼食の時間だ。  僕はいつも自家製のトマトジュースを持ってきている。これがとても美味しい。  弁当の中身はサラダで肉は一切なし。肉を食べると気分が悪くなる。  サラダにドレッシングはかけない。トマトジュースを除いて、僕は喉を通るものに臭いが付いているのが嫌いだ。  自慢じゃないが僕は女の子にモテる。  進級してからもう十回は女の子から告白された。  僕と目が合うと何だか僕のことがとても好きになってしまう、と彼女たちは言っていた。  今のところ、好きってことがどういうことなのかまだよくわからないから全て断っている。  タイミングによってはキスをすることもある。キスをした子とは告白を断った後も仲良くしている。
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