本編

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 今日も僕は女の子から告白された。僕たちは二人共掃除当番で、たまたまクラスを出るのが一緒になった。そこで目と目が合った。すぐに彼女から告白された。  困ったことにかわいい女の子が近くにいるとすごく喉が渇く。水を飲んだくらいじゃこの渇きは癒されない。トマトジュースが唯一喉を潤してくれるのだけれど、もう今日は飲み終わっていた。  僕が気分を悪そうにしているのを見て、彼女は僕に肩を貸してくれた。そして、私に出来ることなら何でもするから、と言ってくれた。  僕の目の前に、彼女の雪のように白くほっそりとした首があった。それはとても魅力的だった。  だから僕は君の首にキスさせてほしい、と頼んだ。彼女は照れていたが最後には頷いてくれた。  僕は彼女の首元にキスをした。  トマトジュースのような味がした。  僕がその味に夢中になっている内に、彼女は気を失っていた。肌は白を通り越して青くなっている。  彼女も貧血になるだろう。今までもそうだった。僕がキスした相手は僕と同じ貧血持ちになってしまう。もしかして伝染病なんだろうか。  両親から何があっても医者に行ってはいけないと言われている。  倒れている彼女をこのまま放っておく訳にもいかないから、どうしたらいいか両親と相談しなくてはいけない。  親譲りの貧血持ちでいつも損ばかりしている。 了
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