第一章 罠

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「……っは、あ。あぁ、んあぁッ……」  ぐちゅぐちゅと後膣に指を挿れられながら、ルキアノスは溶けるような喘ぎを吐いていた。  腹這いになり、腰を高く上げた獣の姿勢。  服従を連想させるその姿に、ギルは眼の眩むような昂ぶりを覚えていた。  ルキアノスの内をいじりながら、自らのものもせわしなく扱く。ぬるり、と先端から体液が漏れる。その粘液をさらに彼の後膣に塗りたくり、また一本指を増やした。 「ルキアノス。どうだ、ルキアノス。気持ちが悦いか?」  気持ち……悦すぎて……ヤバイ……。  そう答えた、が、答えたつもり、だけなのかもしれない。  弛緩しきった体では、唇を思うように動かすことができなくなっていた。性感帯だけが、妙にハッキリと冴えている。  体内の、腹側のしこりをぐりりと擦られ、ルキアノスは跳ね上がった。 「んあッ! あぁッ!」 「ここ、気持ち悦いだろ?」  たらたらと体液を漏らしているのはギルだけではない。  体をいいように弄ばれ、ルキアノスも先走りの液をたっぷりと吐いていた。ギルはそれも手のひらですくい、ぐちゅりと今度は自らの分身に絡ませた。  そろそろいいだろう。  とどめを刺して楽にしてやるよ、ルキアノス。  ぐちり、とルキアノスの内に、侵入を開始した。  指で充分に慣らしてはいるが、おそらく彼にとって初めての行為だ。なかなか思うように先へは進まなかった。 「あぁ、あ。ギ、ル。ぅあぁ……」  なかなか忍び込むことができない割には、気持ち悦さげなルキアノスの声。  媚薬は、痛みすら快感に変えてしまうというから、今まさに絶頂を迎えている事だろう。  半ば無理矢理、捻じ込むようにしてギルはルキアノスの体内に挿入った。  根元まで挿れてしまうと、その内壁がぐねぐねと蠢きギルを押し出そうと反発してくる。その動きに、ギルの全身に快感が走った。 「くッ、う。……ノス、ルキア、ノス……ッ」  押し戻されながら一度抜きかけ、さらに深く穿った。ずん、と腰を入れる。 「あぁああ!」  女の嬌声ではない。  男の粗野な悲鳴なのに、どうしてこんなにそそるのか。  ギルは、ルキアノスの声にすら快楽を感じながら、ひたすら腰をやり始めた。
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