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「早く!」
思わず荒げたギルの声に応えて、ルキアノスの大きな手のひらが腰を掴んできた。
ぐりっ、と太い指が挿入ってくる。ずぶずぶとすぐに奥まで挿れられ、痛みが走る。
ルキアノスの指の節が、内壁を擦って微妙な快感を運ぶ。
口を薄く開け息をゆっくり吐きながら、ギルはルキアノスの動きに身を任せた。
先ほどまでのルキアノスとは違って仰向けの自分の姿勢では、彼の動きが手に取るように解かる。
聡明な瞳が、色欲に眩んでいる。
わずかに振るうだけで岩をも砕く指先が、慎重に体内を探ってくる。
彼の体だけでなく、精神までも支配しているという快感が、途方もなくギルの身に走る。
「この辺り、か?」
「んんぅッ!」
ルキアノスの指が、ギルの前立腺に触れた。
異様な感覚だ。痛み、とも違うし単なる快感とも言い難い。
ただ、奇妙な幸福感がギルを包み込んできた。
「そこ……もう少し……」
「うん」
「あぁッ! あ、あ、あぁ……ッ!」
呼吸が浅くなる。気持ち悦すぎて、苦しい。
ギルは意識して深呼吸を続けた。
後膣の奥深くから腰全体にわたって、強い快感が走る。
腰から太腿にかけて痙攣が始まった。初めて味わう恐ろしいまでの悦楽に、ギルは悲鳴をあげた。
「だ、駄目だッ! ルキ、ルキアノス、挿れてくれッ!」
指ではなく、彼自身でイカせてもらいたい。
身も心も虜になってしまっているのは、ルキアノスだけではなかった。
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