三本目のビール

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 お盆に実家に帰省していた時、友達が訪ねてくれた。  たまにはお盆以外に会おうと言っているのだが、お互い忙しくて、今年もいつも通り一年ぶりだ。 「久しぶりだね。ふふふ。ビール買ってきたよ」  顔もイケてないし、話し方もオタクっぽい。彼女ができたことないし、そもそも必要としていないようだ。  ビールもなぜか三本。二人で飲むのに、どうして三本なのか。不思議だが、彼が変なのはいつものことだから驚かない。 「買ってきてくれてありがとう。……まぁ一本ずつじゃ足りないもんな」 「何言ってるの。一本ずつだよ。高いんだから」 「はぁ? でも、三本買ってんじゃん。一本分けて飲むんだろ?」  彼は顔をしかめて自分が持ってきたビールを確かめた。 「本当だ。どうして三本買っちゃったのかな?」 「お前、ここに来る前に飲んだか? 大丈夫かよ」 「うん。大丈夫」  本人の言う通り、顔色がおかしいとも思えない。言葉もきちんと話せてる。おかしいところはビールの本数ぐらいだ。
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