まっくろくろすけ

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ちぇ、今みつかったのに。あいつら行っちゃったかなぁ。 ボールを拾い上げて、ふと倉庫の片隅を見ると、跳び箱の陰に 何かが居た。なんだ、人形か。 何か気持ち悪いなぁ。目をよくこらしてみた。 恐る恐る近づいてみる。 するとその体育座りの人形の首がこちらにくるりと向いた。 「うわぁぁぁ!」 まっくろだ。真っ黒な体の中に白と黒の目がぽっかりと浮かんでいるように見える。 逃げなくちゃ!そう思った瞬間、その人形に手を掴まれた。 人形じゃない。人間? 「やっと、つかまえた。今度は君のオニだよ。」 そう言うとその人間は透明になり、するりとぼくを幕で覆ったのだ。 そしてぼくは、ぼくからヌルっと外に吐き出されてしまったのだ。 「な、何をした!ぼくの体を返せ!」 「今度は君がまっくろくろすけになる番。大丈夫だよ。 定期的に君たちみたいな愚か者が探検に来るから。     
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