まっくろくろすけ

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まっくろくろすけ

「やっぱ、やめようぜ。」 「なにビビってんだよー。たかが廃校だぜ。大丈夫だって!」 ぼくらは数年前廃校になった小学校に来ている。 学校は施錠されてて入れなかったので、 鍵が壊れていた体育館に忍び込んだのだ。 「おー広いー。俺らの貸切じゃん!ボールねえかなぁ。 闇バスケしよーぜ。」 「アホか、ボール見えないのにどうやってパスすんだよ。」 月明かりでうっすら見えるじゃん?暗がりにも目が慣れてくるって、そのうち。」 「ボールはどこだぁ?」 ぼくらの声だけが体育館にこだましている。 「あ、あそこじゃね?なんか倉庫あるぜ。ボールとかしまってありそう。」 ぼくらは倉庫の中を家捜しした。 「跳び箱とかもそのまんまじゃん。」 ぽんぽんと叩くと埃が月明かりの方向を示した。 「ボール、ねえなぁ。つまんねー。学校の方行こうぜ。 入れる所があるかもしれん。」 「まだボール捜すー。」 「置いてくぞー、こらー。」 直樹はしつこくボールを捜している。 皆はこっそりと校舎に移動した。 「あいつ、ビビって走ってくるぞー。」 みんなは意地悪く笑って直樹が追いついてくるのを待っていた。     
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