ブゥゥゥゥーーーーーン

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「来てくれたんか、来てくれたんか。一緒に探してくれ。電気もつかないし俺怖くて電話しちまった。後輩くんたちもありがとな」 軽いパニック状態に陥ったYの声がこだまする。 その時、ブゥゥゥゥーーーーーン、という低く連続的な音が窓の外から聞こえてくるのにAが気づいた。初め自動車やバイクの音かとも思ったが、やけに気になったAは三人を残し、フロアの少し奥まった場所にある、場違いに大きな窓を開けようとした。ブゥゥゥゥーーーーーン、ブゥゥゥゥーーーーーンとその音は大きくなっていくようだった。窓は想像以上に固かったが、何度か力を入れ直してようやく開けることができた。 びゅうと吹いた風に一瞬目を閉じ、再び目を開けるとそこには――。 上から吊るされた巨大な顔が、超高速回転していた、という。 ブゥゥゥゥーーーーーン ブゥゥゥゥーーーーーンンンン
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