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魔王と戦いになりました
私は城を飛び出し走っていました。走りながら、もうちょっとファンタジーっぽい戦いにしたほうがいいなー思い、馬に乗って何百人もの強い兵隊を引き連れていく感じにして!と小人に頼んでみました。すると、本当に一瞬で馬を用意してくれて、あっという間に数百人の兵隊、馬に乗った兵隊が集まってきました。小人さん、すごいなー。しかも私、乗馬経験ないのに、この世界ではいい感じに馬を操っていました。すごい振動でしたけど、なんとなくうまく馬を走らせることができてました。ファンタジーって素晴らしいー。
「素晴らしいーじゃねえクソ野郎!乗馬経験ない奴がいきなり馬に乗れるだ?じゃあ、それだけの裏付けをしろよ!乗馬の得意な姫の生まれ変わりなのかよ!それとも馬が優秀なのか、小人が優秀なのか、はっきりさせろ!てめーのファンタジーは分かりにくいんだ、クソが!」
そう怒鳴る編集の姿が見えてきました。編集は巨大な黒い魔王の城のてっぺんのあたりにいました。黒い、それはもう真っ黒な魔王っぽい衣装着て、魔王っぽい王冠かぶってました。ああ、この魔王コスが似合うな、この人と思いました。
「てめーのファンタジーなんてつぶしてやる!」
そう言ってドナリ魔王が手をかざすと、たくさんの悪魔の兵隊が魔王城から飛び出してきました。こちらのキラキラしている、いかにも正義な雰囲気の兵隊たちと、黒い魔王の兵隊たちがそこら中で戦う展開になりました。ちょうど、両方の城の中間地点あたりの広い平原で。戦場です。剣と盾で基本は戦ってます。あと、弓をうつ人もいます。わーすごいなーと思いながら眺めてる私。でも危ないなーと感じ、安全っぽい木陰に逃げました。
「逃げてんじゃねー!戦場の描写から逃げてんじゃねー!適当すぎんだ!てめーの描写は全てにおいて適当過ぎる!曖昧にしておいたほうが、読者が想像力で補ってくれると思ってんだろう、クソが!お前はファンタジーをナメきっている!」
ドナリ魔王がそう怒鳴ると、巨大な雷が落ちてきました。この雷攻撃で、兵隊のほとんどがやられました。うわ、ピンチ。
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