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私はとっさに腰に装備していた剣で戦いました。私はもちろん剣術とかやったことなかったんですが、うまく剣で戦えました。ファンタジーって素晴らしいですね。
「だから、てめー、適当な描写はやめろっつってんだろ!剣を使えるならその裏付けをしろよ?なんだ?てめーは剣の得意な姫様の生まれ変わりか?それとも聖剣みたいなシロモンで一時的に強くなってんのか?読者に伝わらねーんだよ、そういった裏付けがねーと!お前は適当過ぎる!いい加減すぎる!ファンタジーを!小説をなめきってんだ!」
そう言うドナリ魔王の顔は、それはもう怒りに満ちていて、眉間にしわが寄っていて!への字口で唇をかみしめながら、とてつもなく強い力で剣を振り下ろしてくるんです。
よく見たら、ドナリ魔王の剣は赤いボールペンでした。赤いボールペンを血を流しながら強く握っているんです。
よく見たら、ドナリ魔王の黒いマントや黒い服は、あまたの日の目を見なかった小説のボツ文章でできていました。ボツの文字量があまりにも多く、真っ黒に見えていたんですね!しかも真っ黒なお城も、実はあまたのボツになった小説の文字で出来ていたんです!
それに気づいた瞬間、ああこの人はこの人で色々考えてやってたのかなーと思いました。
私のお城が妙にキラキラしていたのは、それは私の初期衝動だったんですね。私が何か新しいことを始めようとする気持ちが、お城をキラキラにさせていたんです。
そう、よく見たら私が持っている剣は、私がよく使っているボールペンだったんです。私たちはペンとペンで戦っていたんですね。
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